人生の転機

日々の事や過去の大きな出来事を綴っていきます。

警察来襲

ある日の朝、私はいつも通りに出社をした。

8時半始業で、いつも通りに朝礼を終えた。

8時50分位だったろうか、受付の女性が私のところに来て

「新日本警察(仮称)の方が来てます・・・」とのこと。

 

その瞬間は正直「?」だった。

入口に行くと男性が2名おり「ちょっと外で・・・」とささやく。

会社入口から出ると「新日本警察(仮称)だけど、何で来たかわかる?」

と「警察24時」でよく耳にするセリフを言われる。

警察署の名称を聞いて(あれか!)と思い当たるものの、そこは反射で

「さあ・・・」と、これまた「警察24時」でよく聞く返答。

以降、この新日本警察の刑事を猪木と呼ぶ。傍らには藤波もいた。

 

猪木「本当に知らない?窃盗の件なんだけど」と話したところでごまかしても無駄だなと観念し、

「はい・・・やりました」と出会って2分で白状。

 猪木「このまま警察署に来てもらうから」

私「はい・・・」

猪木「車に乗ってもらうから、用意してきて」

その時点では、まあ事情聞かれて今日中に帰れるだろうと思っていた。

とりあえず通勤兼仕事カバンを持ち仕事着に上着を着て裏口から出る。別に逃走するつもりではなく、ここは外履きで出るのが裏口であるためだ。

外に出ると、長州がいた。逃走防止にために裏口にもいたのであろう。

一瞬、お互いに緊張が走ったが、支度をして裏から出た旨を長州に告げると表口に停められていたミニバンを案内された。

その間、猪木と藤波は会社の上司に「窃盗事件の捜査で連行します」と伝えたそうだ。

 

私は車の後列まん中に座らされ、猪木と藤波に挟まれる形になった。運転は長州だ。

この時点では任意同行のため、手錠はされていない。

というか、私自身は逮捕されるなどとは微塵も思っていないので、何となく気楽な気分であった。

猪木「新日本市の事務所に入って、〇〇盗んだ?」

私「はい」

猪木「それは今どこにある?」

私「自宅」

猪木「自宅って・・・国際市のマンション?」

私「いえ、別居して今はこの近隣のアパートに一人住まいです」

 

私は、この数か月前に別居のため引っ越していたが、住民票をまだ移していなかった。この「おはよー逮捕」と呼ばれる朝の逮捕は通常自宅に行くのだが、そこには妻のみ。夫は?と聞くが転居先は知らせていなかったので「さあ」と返答したらしい。ここで別居しているとはいえ夫婦なので「警察が来た!」と私に連絡されたら逃亡の可能性もあるとのことで、本来であればあまりないらしいが職場に来たと、あとで猪木から聞いた。故意ではないが、警察を出しぬいたことに少しうれしさを覚えた。

それにしても職場に来られたら・・・もう警察沙汰というのがバレバレなわけで、明日どうやって言い訳しようかなとも考えていた。

 

車は現住のアパートに到着。「〇〇(盗んだもの)、あるなら持ってきて」とのことなので、家に入り取ってくる。警察が家に入らないのは、まだ任意段階であるし令状もないからであろう。

ブツを渡し、再び乗車。車は新日本警察署へ行くとの事だが、道中(20分位)何を話したかはあまり覚えていない。多分「なんでバレたのか」みたいな話しを私からしたと思うが、それは立証の重要部分の一つであるので車内では答えてくれなかった。

 

そして車は新日本警察署に入っていくのであった・・・。