写真撮影~指紋採取~DNA採取、そして夕食・・・
取り調べは午後4時ごろ終わった。
その後、写真の撮影だ。
様々な方向からバシャバシャ撮られ、指紋も指先だけでなく側面もスキャンされた。
ほっぺの内側をスポンジのようなものでぬぐい、DNAも採取された。ついでに靴底もシールみたいのを貼られ型を採られた。いわゆる「ゲソ痕」だ。
これでもか!というくらいに人間としてのデータを採られた。
私というデータは警視庁のデータベースのHDD内に10MBくらい記されているのであろう。万が一、指紋を残すような事件や性犯罪を犯すと照合で一発だ。というかもう警察のお世話になるようなことはしない。
時間は午後5時くらいであろうか。
時計というものがないので、なんとなくの時間感覚だ。
取調室で夕食がふるまわれた。
内容は、白米・揚げ物・マカロニ・漬物である。それがプラ製の弁当箱に入っており、当然冷めている。水分はお茶のみ。
その時は「これは留置場で出された、昼飯の残りに違いない」と思っていたが、それは翌日に間違いであることがわかった。
今、目の前にある弁当はまぎれもなく皆と同じ夕食なのだ。
昼食は自分で別注しないかぎり、食パン4枚とチープなおかずとジュースなのである。
一応、全部食べた。
お世辞にもうまいとは思えないが、初めて食す「くさい飯」。
くさくはないが、うまくもなかった。
食べているときは片手錠と呼ばれる形態になる。
利き腕ではないほうに輪っかを2つかけるのだ。
腰縄は椅子に縛り付けてある。
逃げようなんてこれっぽっちも思っていないが、もしこれを無実の人がされたら屈辱だろうなとは思った。
18時くらい。警察署内の留置場へ移動するとのこと。
手錠は再び両手にはめられ、腰縄をしめなおす。
そして前に猪木、腰縄を長州が持ち、藤波が付き添うという、
万全のタッグ結成だ。
長州と藤波がやりあい・・・ということもなく、
階段を使い留置場のあるフロアへと連行。
頑丈な錠前が2個ついた扉の前で留置場の刑務官へ引き継がれる。
ここからは刑事も入れないエリアらしい。
扉は開かれ、ついに留置場という未知の空間へ足を踏み入れたのである・・・。