人生の転機

日々の事や過去の大きな出来事を綴っていきます。

面会篇

結局、私は23日間という最大限の延泊をしたのだが、その間に面会が何回かあった。一番多いのはもちろん弁護士であり、2回妻も面会に来たがそのことには触れたくないのでここでは割愛。あとは会社の仲間である。

 

まずは弁護士から。弁護士は24時間いつでも面会可能である。起こされるほうとしたらたまらないが、実際のほかの人は深夜0時ごろの面会があった。私の場合、正確な回数は覚えていないが、5回は弁護士先生が来ていた。向こうからくることもあるし、呼び出したこともある。ちなみにこちらが「会いたくない」と言えば、当然面会はしなくてよい。

まず、最初に弁護士に会えたのは逮捕から1週間は経過していたと思われる。「早く出たいと思ったから私選にしたのに、最初がこんなに遅いのでは国選のほうがよかった・・・」と勾留中なんどか思った。だが、今にしてみれば私選弁護士にしてよかったと思う。もちろん、弁護士の報酬も違うのだが、なにより本気で味方になってくれる。悪いことは悪い部分で反省を促されたが、弁護士も相手側に対し何やらよい感情を持ったらしく「とことんやる!」と変に燃えてしまっていた。私としてはそこまでしなくて、むしろ示談にして被害届を取り下げてもらえれば・・・くらいの感覚であったので、この暴走弁護士には時々困ったこともあった。示談などせず無罪にならなくとも徹底抗戦のスタイルが基本方針の弁護士であったので、実は現時点でも裁判は継続となっている。地裁→高裁→最高裁の順だが、現在、最高裁に上告している。私はもう出廷することはないので、もはや弁護士の意地だけで絶賛裁判中である。

話が逸れたが、弁護士との面会中は刑務官の同席はない。おそらく監視カメラみたいのはあると思われるが、基本はフリーの会話となる。ちなみに、私が完全黙秘していたとして、留置場内で真相をベラベラ話したとしても、それは刑事に伝わることはない。いや、裏でこっそり情報は漏れているだろうが、その内容を元に捜査をしたり取り調べをすることは違法らしい。もし発覚したら、即刻釈放となるようだ。だが、私の場合、なんでも包み隠さず話していたので、別に弁護士との作戦会議を盗聴されても構わない。弁護士と会い、最初にすることは弁護士を選任することだ。その後、外部への連絡も弁護士がしてくれるのだが、いかんせん電話番号などがわからない。こんな時「宅下げ」というシステムを使い、自分のスマホをいったん弁護士預かりにし、面会室のアクリル板越しに操作してもらい、連絡してほしい人の電話番号をメモしてもらった。この段階(逮捕1週間後くらい)では、いまさら両親に伝えるのもアレなので、仕方なく別居中の妻に連絡を取ってもらうこととした。その後2回面会に来たが、内容については割愛。また、相手への謝罪文の添削や検事取り調べ時のNGワードなどの指導を受け、とにかく早く出してほしいと面会毎に訴えたが、はずれの検事にあたってしまったのでいくら弁護士が働きかけても釈放とはならなかった。

現在も裁判中であるため、その他のやり取りは伏せさせていただく。

 

さて、会社仲間の面会であるが、ある日刑務官が「7番面会、〇〇さんと△△さんという人。会う?」とのこと。確かに職場から任意同行されたし、上司にはその際に「新日本警察」と伝えてあるのでたどり着くことができたのである。これが仮に自宅で任意同行されると、もはやその瞬間から行方不明者であり、最悪23日間会社には連絡できないこととなる。家族がいれば連絡してもらえるが、私の場合、連絡せずとも会社の人が面会に来た。面会とはいいつつ、相手が言いたいことはすぐにわかった。退職の意思の確認だ。規定上、逮捕されただけでは解雇はできないらしい、それで困っているようだ。私としては釈放後に同じところで働きたいとは思っていないし、正直なところ職場を変えたい・・・と、やや病んでいたので強がりな言い方ではあるがいい機会であった。会社の人たちは罪について何か聞いたりすることもなく、元気そうで安心したとか言ってくれたことが逆に申し訳なさをアップさせた。釈放されたら挨拶に行こうと思っていたが、結局行けていない。もちろん後ろめたさや申し訳なさはあるが、なによりもうあの職場とは絡みたくないというのが正直なところだ。勝手な言い分であり、不義理とは承知だが、今後も敷居をまたぐことはないであろう。