人生の転機

日々の事や過去の大きな出来事を綴っていきます。

署内での取り調べ

逮捕6日目か7日目だろうか、何もない日であったが、突然取り調べと刑務官に告げられた。逮捕初日以降、初めての署内での取り調べである。供述調書により細かく記述していくためのものであるが、こちらとしては全面降伏しているので猪木とのバトルもなく、むしろ私が余計なことまでしゃべったときに「それはいいよ」と記録しないなど、非常に友好的な関係であったと思う。難しい言い回しなども協力して文章を考え「あ、それでいこう」など、ねつ造とまでは言わないが、割と私にとって有利な供述調書になったのではとその時は考えていたところ、後日弁護士さんに「こんな余計なことを」と指摘される部分も多々あった。そこはやはり刑事のテクニックで、そのような言質をこっちは言っていないのにさも言ったかのような調書になっていた。作っている場ではそんなところまでは気が回らない。とにかく、猪木達に悪い印象を与えてはならないという一心で全面的に協力をしていたのだが、向こうは百戦錬磨、してやられた。調書に記述してある以上、後の裁判などではそんなこと言ってないと反論しても認められない。

そうはいっても、そこは刑事の職務である以上仕方ないことであるし恨んでもいない。聞いたことも真摯に答えてもらったし、釈放の日も社交辞令かもしれないが何かあれば相談してと名刺を渡された。おかげさまで相談に至ることは現時点でないが、担当刑事という点では当たりの部類であろう。

この日の取り調べの中で私が知りたかったことがある。相手の処罰感情だ。これが勾留延長や起訴・不起訴に大きくかかわってくる。「とことん罰してください!」と思っていたら起訴はまぬがれないし、「認めているのであれば穏便に」であれば検事の考えもあるが不起訴や延長なく釈放もある。で、私の場合であるが「穏便に」とまではいかないが、「そんなに怒ってはいない」との猪木からの回答だ。それを聞いたとき、ものすごくホッとしたのを覚えている。自分の身のこともあるが、迷惑をかけてしまったのにそういう考えをもってくれて申し訳ないとも思った。いつの日か・・・直接謝罪したいな、とも考えていた。取り調べは3時間ほどかかったであろうか、動機や反省も含めた調書は出来上がった。検事はこの調書をもとに取り調べ、勾留延長や起訴・不起訴を決定するのである。

檻に戻った私は、これは延長なく釈放されるかもとウキウキしていた。すべては検事との対決次第!決戦に向け、緊張は高まる。

なお、弁護士からは「とにかくあやまって、反省の態度をみせること」とアドバイスをもらっていた。悲壮感を漂わせるのは、私は「かまってちゃん」なので得意だ。